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すべてはみなさまの支援金からはじまりました。
みなさま、こんにちは。ふくしま市民発電の新妻香織です。
東日本大震災直後より、「赤十字に送るより顔の見える支援がしたい」そうおっしゃる方々が、新妻個人宛にお送りくださった見舞金や支援金の総額は、2,660,701円になりました。全国のみなさまからの温かいお力添えに感謝申し上げます。
私はこの支援金で福島県相馬市や周辺の市町村の被災者のための炊き出しや物資配給のほか、まちづくりのための市民講座「松川浦の未来を語るゼミナール」(全8回)を開催しました。
そして2012年、このゼミナールから、被災地の未来に向けたふたつの一般社団法人、地産地消の再生可能エネルギーを作り出そうという「ふくしま市民発電」と、被災地に巡礼の道を作ろうという「東北お遍路プロジェクト」が生まれました。
福島の未来は日本の未来
福島第一原発の事故は、福島を徹底的に叩きのめしました。福島からは30万人の県民が離散、風評被害は福島の再生を阻み続け、日本の多くの大地も飛散した放射性物質によって汚染されました。 しかしそうした中で、福島県は事故直後に「原発ゼロ」を宣言し、2040年までに再生可能エネルギー100%にすることを決めました。
私たち「ふくしま市民発電」は未来にツケを回す原発ではなく、福島を起点に市民が中心となって新しいエネルギーをつくり出そうという志のもとに生まれました。
今、これほどの過酷事故の責任をだれも問われることなく、原発再稼働の動きは加速され、原発プラントの海外輸出まで具体化されています。
きっと、福島が変わらなければ日本は変わらない。そして福島が変われば必ず日本が変わる原動力になるはずだと考えます。
夢を広げて、小さな一歩
私たちのスタートは70キロワットの太陽光発電という小さな一歩です。
しかし年々パネルを増やしていくだけではなく、水道施設での小水力発電や福島の森を再生させる木質バイオマス発電など、わくわくするような未来像を描いています。
ドイツの小さな街シェーナウでは、チェルノブイリ原発事故後市民が立ち上がり、10年の取り組みを経て、市民の手によって再生エネルギーだけを扱う電力会社がつくられました。
時間はかかるかも知れませんが、私たちも次の世代につながる小さな一歩を踏み出しました。
未来を生きる子供たちに安全な世界を手渡していくのは、原発事故を経験した私たちの務めです。
みなさまの支援金が被災地に「希望の種」を蒔いてくださいました。これからも皆さまとともに「ふくしま市民発電」を育んでいきたいと願っております。どうぞよろしくお願い申し上げます。
2014年1月
新妻 香織